高杜 一榮の世界

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024s

モノローグ

20201113金曜日

最近仕事を探している。半年前に某所に勤務したが、そこでは数百人という従業員がおりその全体の団体行動がまるで軍隊みたいで、どうもゲージュツ家のわたしの頭の中が???になってしまった。首を傾げながら勤めているわたしの様子が、周囲には異常に映ったのかも知れない。ある時呼ばれて「今の仕事を好きですか?」と尋ねられて「どうもなんだか合わないみたい」と呟いたのが悪かったのか、結局「では辞めさせていただきます」という具合になり、退社したのだが、改めて考えると辞めなければ良かったかも。しかし自分には似合わない仕事だった。だがわたしには飼育しているカワイイ猫のナツキがいるので、彼女のペットフード代ぐらいは働かねばと思うようになっている。しかしこれまで結構良い職場に恵まれたせいで、どうも贅沢な条件が脳裏から去らない。その上もしわたしが勤めに出たら、ナツキが朝から晩まで寂しい時間を過ごさねばならない。ある日ナツキに呟いた。「ナツキちゃん、勤めないとあなたの食べる物を買えなくなるのよ。我慢できる?」と囁いてみた。すると両目に深刻そうな光が見えた。それで慌てて言った。「大丈夫だよ、離れないでいつも一緒にいるよ」と。しかし彼女は縁があって一緒に暮らしているが最近ではほとんどわたしのお姉さんみたいな「猫にしては風格のある不思議な雰囲気」を漂わせている。ともあれ、何とか暮らして行くしかない。いつの間にかわたしが頼りにできる猫になっていたナツキ。
2020年11月13日 12:46