高杜 一榮の世界

WELCOME TO TAKAMORI COLLECTION

0250151123.jpg

モノローグ

20200726

最近過去を思い出し、怒りを浮かべてしまった。実は亡くなった元夫は非常に変わった人だった。変わったというよりも、超進歩的というべきか。彼は新婚旅行先でわたしにこう宣言した。「君は性的経験が非常に少なく、そのままでは人生明るくない」「もっと異性を知り性的にも成長して欲しい」内容はこのような意味のことを言っていたらしい。結婚したばかりで何を言っているのか不可解ながら、非常に優しく真面目な夫だったので、解ったふりをしていた。だがその数年後、彼は彼の部下にわたしを紹介した。彼が目的としたことはわたしと部下がどこかに出かけ仲良くなり、ベッドインして欲しかった、ということだった。こういう変わった配偶者と結婚してしまったわたしは災難だったが誰にも相談できなかった。母にも友人にも打ち明けたことはなかった。彼の会社の部下を紹介され、内心「またか」と彼の奇行を苦々しく思ったが、何も言わなかったし、彼の思惑通りにはならなかった。それから数年して彼の思惑通り、その際の相手はフランス人と親しくなった。パリまで出かけ彼の希望通りに「することは、して」帰国した。その際成田で出迎えた夫は言った。「ああ、帰ってきた、よかったよかった」それを聞いたわたしは、内心呆れていた。これでわたしが日本に帰らなかったらどうなっていたのだろう?わたしが帰らなかったら泣き通していたに違いない。本当に優しい夫だったがある意味愚かな男だった、と思う。最近彼に対して怒りを抱いている。その不可解な発言を今になって蒸し返して怒り、彼が亡くなっていないのに怒りが強烈になっている。二人ともおかしな夫婦といえる。しかし世界には彼と良く似た種類の夫もいるだろうと思える。今考えると自身は良く我慢をしたと思う。
2020年07月26日 20:37