高杜 一榮の世界

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モノローグ

20200210月曜日

このところ寒いので外出が減った。買い物は二週分位買い込んで、そのまま外出しないという日々だった。だが大体外出好きではないわけではないが、出不精の傾向があり、一日家にいることもある。だがテレビとパソコンと本だけで暮らすとなると会話がない。会話がないので一日誰とも話さなかったと嘆いていた友人もいたが、自身は誰とも話さないことで悩む性格ではない。そういえば母は「口から産まれた」と豪語するほどおしゃべりが好きだった。なにしろ六本木(わたしの幼い頃は、宮村町という名だった)にいた時は、母は道で友人に会うと「あら、お久しぶり、元気?」で始まり延々と立ち話を始める。なにしろ口から産まれたというから話には終わりがない。七歳頃母が話してくれたことがある。ある時皆と話していて最後に誰からが「一体何でこんな話になったの?」と尋ねたら、母が「最初はこの話で、こうなってああなって、誰かさんがこう言って」と最初から最後まで記憶に残っていたのを話して一同驚嘆したという。そういう母だった。その母のおしゃべりの傍で長い時間待っていたこともある。母は明るく、明朗快活なおかつ頭が良く、記憶力が優れていたのか、長い時間しゃべっても苦痛を感じない性格だったようだ。その母が年を取って、周囲が脳の衰えを感じ始めた時、彼女は変わらず、活発にしゃべっていた。その母のことを思い出すと最近、非常に危機感を覚える。現在の自分の年齢の脳の機能と、あの当時の母の脳の機能を比べると格段の差がありそうな気がする。いわゆる認知症とはかけ離れていたのではないだろうか?自身は母ほどおしゃべりが好きではなく、立ち話をする際も、内心終わって欲しいという感じに「おしゃべり」を趣味や気晴らしにできない性格である。それを考えると、どうやら認知症の傾向がありそうな気がしてきた。しかしどういうわけかその病名で医療機関を訪ねる気にはならない。一度見てもらって「大丈夫」と言われたのでそのまま認知症関連のクリニックには行かない。行ったら病状が進むような気がする。それになるべくなら認知症とは別な病名で使って欲しい。たとえば「ボンサンス(仏語で良い感覚または常識という意味)」または「グッドライフ」「ハッピールック」なども少し認知症候補生を励ますネーミングはないのか!
2020年02月10日 09:33