高杜 一榮の世界

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モノローグ

20170917日曜日

先頃思わぬ出来事があった。その日何だか気分が高揚していたらしく、身体に勝手なリズムが流れていたらしい。路上で派手に転んでしまい、道路に突然転倒してしまった。どこをどう打ったのか気が付かなかったが、後で鏡を見て良く判った。打ったのは額だ。額にこんもりと丸い瘤ができていた。まるでおでこに丸いボールを飾ったような具合だ。自分は四六時中、鏡を見ているわけではないので知り得ようもないのだが、鏡を見ると異常な顔が映っている。両目の瞼に青痣が出来ている。それも良く出来た悪相の顔のようだ。二日も経つと、左の眼の上瞼がまず紺色の痣になっていて、どぎつく人相を変えてくれていた。右の眼の周りにも同じような青痣ができている。自分の怪我を観察して記録したのは始めてだった。新鮮な体験だ。傷は後で華麗に変化していた。瘤も小さくなりつつある。良く観察すると、額のコブから血が流れて両目の瞼に血が広がったらしい。実に粗忽なわたしにはためになる体験だ。顔を見ると当面人に会えないと感じる。そのため会うことを約束していた友人に延期を申し入れたのだ。ともあれ顔の傷を作ったのは自分で、誰かに殴られてできたわけではないので、それだけでも幸せだ、と思うしかない。今では凄みの増した顔面の青痣をどうにか判らなくするためにファンデーションを塗りサングラスをするしか手がなくなっている。だがここ数十年以上化粧をしなかったわたしには、顔に何かを塗ることが苦手で、困惑している。医師に「痣は温めても駄目。二週間ほど経てば消えるから待ちなさい」「転倒は老化です」と言われた。額と心をガーンと殴られた感じだった。
 
2017年09月17日 20:57